サンビオティック体験記

発酵リン酸で美味しいスイカを。名産地を守るスイカ栽培

いまも残る「スイカの名産地」のプライド

長崎県西海市は、昔は「スイカの名産地」と言われた知る人ぞ知る産地でした。天然のミネラル豊富な赤土土壌で、おいしいスイカができると有名でした。

ところが、20年ほど前から、少子化や核家族化、また冷蔵庫に入らないなどの理由で、徐々に大玉スイカが売れなくなってきました。今では、当時の生産量から比較すると、数パーセントの産地となってしまったのは、とても残念なことです。

そんな「スイカの名産地」のプライドを、頑なに守り続けている生産者のKさんは、「スイカが一番おもしろかよ!」といいます。何しろ、露地スイカは、他の作物よりリスクが高いのです。
雨が降れば、病気のリスク。カラスやタヌキやイタチなどの鳥獣害。そして相場のリスク。うまくやらないと、とてもリスキーな品目です。

コーソゴールドがスイカの味を良くする

そんな中、市場で最も評価の高いのがKさんのスイカです。「スイカは、やっぱり味!」とKさんはいいます。

「玉数の確保と味。これが勝負ばい!!味とシャリ感があれば、絶対高く売れるよ。うちのは、よそより味が良かろう?やっぱり、コーソゴールドば使いよるけんね!味が違うとさ。

Kさんは、栽培途中、花がつく頃から収穫までの間に、コーソゴールド500倍希釈液を4〜5回は散布します。
時には、農薬と混用して、丁寧に葉面散布をしていきます。

「スイカは結構面倒な作業が多かけんね。カラスから見つからんごと、ワラをかぶせたりね。でも、やったらやった分だけよ。コーソゴールドも、正直言って面倒くさかけど、やっぱり味が良うなるし、秀品率が上がるんよね。もう8年使っとるけど、これは良かね!」

後継者が育つ農業

そんなKさんに、最近一番うれしいことを尋ねてみました。

「そりゃあ、息子が跡を継いでくれたことよ。自分が今までやってきたスイカとか、野菜作りば、息子がやってくれるっていうのは、本当に嬉しかよ。バシバシきたえて、自分の土づくりや栽培の技術をしっかり覚えてもらわんばいかんね!ははは。」と息子さんを前に嬉しそうに笑いました。

「やっぱり、親父にはまだまだ、かなわんですよ。やっとスイカも叩けるようになってきました。もっと勉強せんばです!」と息子さんも謙虚に笑っています。

やはり、親が堅実で高収益な農業をやっていれば、後継者は付くものなのかもしれませんね。これからの息子さんの成長が楽しみです。

これからも、おいしいスイカを作って儲かる農業を実践し、「スイカの名産地」のプライドを次世代に引き継いでいってもらいたいな、と思いました。