サンビオティック体験記

桃(モモ)の露地栽培 美味しい桃を目指して!

長崎では珍しい露地の桃(モモ)栽培!

先日は、長崎県では珍しい桃の露地栽培をしている小林様の圃場をお伺いしました。もともと長崎では、桃の栽培は非常に少ないのですが、そのほとんどがハウス栽培ですから、露地栽培の桃というのはとても珍しいんですね。こちらの園地では、今年からサンビオティック資材を導入して、高品質な桃の栽培にチャレンジしています。

ふるさと納税やネットショップで売り切れてしまうと言う小林さんの桃。

まもなく収穫が始まるというので、早速お伺いしたというわけです。

露地の桃(モモ)

桃(モモ)栽培の目標は「とにかく美味しい桃!」

とにかく美味しい桃

小林さんに桃栽培の目標を聞くと、

とにかく食べたときに美味しい!と言われる桃を作りたいですね。桃は開花から成熟までが本当に短いですから、栄養成長に傾きやすい時期に、しっかり生殖成長に傾けるためには、『マジカル』や『コーソゴールド』、それと『海王』が重要だと思うんですよね。」とのことでした。

そうですね、桃は果樹の中でも、開花から収穫まではわずか3ヶ月ほどしかないんですよね。その間に、根が動き、新芽が展開し緑化しつつ、果実が肥大し、成熟していくのですから、本当にめまぐるしい作物です。

ちょっと油断すると、新芽が徒長したり、病気になったり、実が落ちたりと、とても神経を使う作物だと思います。だからこそ、しっかりと根や新芽の展開も促しつつも、果実品質を上げるために「生殖成長」をキープする必要があるんですね。

そのためには、地温の上昇とともに吸収した窒素をすぐに同化し、細胞に変えていくだけのエネルギーと栄養素が必要です。それが、本気Caやコーソゴールドのリン酸や有機酸カルシウムなどと言うわけです。そして、海王も代謝を促進する成分が入っています。それらがしっかりと効果を発揮することで、できるだけ未同化の窒素を体内に蓄積させない、というとても大事な管理が出来るのだと思います。

驚くことに、こちらの園地では窒素肥料は与えていないそうです。除草剤は使わない草生栽培を実践していますから、窒素固定菌が必要な窒素成分を与えてくれるのでしょう。

無肥料とは思えない樹勢の桃

それでも、とても無肥料とは思えない樹勢です。桃は永年作物ですから、毎年実をならせてくれなければ成りません。そのためには、樹勢を落とさないことも大切です。春になると新芽が出てこそ、また来年も実をつけてくれるのですから。天候によっては、やはり徒長枝もでるので大変だそうですが、無肥料でもそれだけの樹勢を保てていることは、やはり地上の『剪定』と地下の『土作り』がうまくいっている証拠ではないでしょうか。

葉の美しさも段違い

そして、葉の美しさも段違いです!せん孔細菌病のような病害は一カ所も見当たりません。聞くと農薬の使用回数も非常に少なく、できるだけ農薬に頼らない栽培法を実践しているそうです。

そのために、腐植性物質などの資材も活用し、樹の本来の生命力を引き出しているそうです。やはり、健康な樹には、病気も入りにくいと言うことなんですね。

天候不順の収穫前でも十分な甘さ!

それにしても、今年は桃の栽培にとっては、なかなかハードルの高い年となりました。長崎県の梅雨入りは、昨年よりも13日も早く、連日の雨です。桃は、収穫前に土壌水分が高くなると、糖度が上がりにくいので、露地栽培では天候に影響されるリスクが非常に高いのです。

赤く色づいた大きな桃

赤く色づいた大きな桃がたくさんなっています。

収穫前だというのに、一つもぎって食べさせていただきました。

え、おいしい!すごい甘いですよ!」と、思わず声が出ます。

一昨日までは毎日のように雨が降っていたのに、この甘さは十分です。参考までに糖度を測ってみると、12.0度でした。違う樹からもう一ついただいてみると、こちらはさらに甘い!きっと12.5~13度はあったと思います。果汁で手がベタベタします。

こちらの品種は早生の「日川白鳳」という早生品種です。まだ本格的な収穫まで1週間を残していますし、とても天候が悪かったのに、この甘みです。これから数日、晴天に恵まれればきっと、ほぼ13度超えはいくでしょう。

露地で、この品質は素晴らしいですよね!果実はもちろん、糖度計だけでは計れない『おいしさ』があるんですが、糖度もひとつの指標としては参考になります。香り、ジューシーさ、そしてほどよい酸味。とてもバランスの良い味でした。

小林さんは語ります。

体が震えるような、本当に美味しい桃

正しい農業というのがあると思うんですよ。微生物と植物が健康に育つことが出来るような、そんな環境を作ることが正しい栽培方法だと思うんですよね。だって植物も生き物ですから、育ちやすい、心地よい環境というのがあるでしょう。そして、そういう栽培をすれば、体が震えるような、本当に美味しい桃が出来るはずなんですよ。糖度じゃないんですよ。体が『この桃は美味しい!』と教えてくれる、そんな桃なんですよ。」

なるほど、本当に素晴らしい考え方だと思います。近年では少数派になってしまった、腐葉土や草を活用した栽培法、微生物を意識した土作りを実践していたのには、このような強い信念があったんですね。

この50年、失われてきた農業の本質をもう一度追い求めようとする探究心に、本当に感動しました。ぜひ、これからもこの、「目に見えないけど、大切なこと」を実践し続けてほしいなと思いました。

まだまだ勉強中!課題が多いです!

もっと勉強して、美味しい桃を作りたい

そんな小林さんですが、まだまだ分からないことが多いといいます。脱サラして農業を始めて、まだ6~7年しか経っていないんですから当然です。今年は、昨年まで原因不明と思っていた生理落果が、炭疽病だと知り、適切な対処が出来たので非常にその被害が減ったそうです。

このようにまだまだ知らないことが多いので、もっと勉強して、美味しい桃を作りたいと語ります。すべては、桃を食べられるお客様のために。お客様が、今年の桃は美味しかったね!と言ってくださることが、農業をやっている意味だと。

やっぱり最終的には、この向上心が成長の源ですね!これから、サンビオティックやその他の技術を取り入れながら、きっとさらに素晴らしい桃を栽培していかれると思います。これからも応援しています!

(参考リンク)

オンラインショップおむすび
小林果樹園の樹上完熟桃(日川白鳳8~10玉)
https://omusubi.calseed.co.jp/shopdetail/000000000004/

ふるさとチョイス 
土づくり・栽培管理にこだわった甘く美味しい桃です。
※6月中旬発送※【数量限定】樹上完熟!日川白鳳(桃)2kg(8~10玉)先行予約 モモ 桃<小林果樹園> [EAT001]
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/42307/4813344

Youtube
【超必見!!】本気で桃を育てる!桃の作り方,剪定,摘果,管理,木の生理的側面,大事な土作りなど完全解説!【長崎県 小林果樹園 小林康二さん1】
https://youtu.be/dUiOmtTBfLE

Youtube
【楽しい】長崎県で無袋モモを作る!小林果樹園の園地ツアー!!超楽しかった!【長崎県 小林果樹園 小林康二さん2】
https://youtu.be/4f3Kcf8AMAk