「あまおう」イチゴの苗づくり。毎年足りなかったのに、今年は!
福岡県でブランドイチゴの「あまおう」を栽培されているTさんの事例をご紹介します。
Tさんの悩みは、毎年苗づくりがうまくいかず、炭疽病や萎黄病などの病気が発生し、苗が足りなくなることでした。
Tさんは、足りない苗を補うために、苗を買い足さなければならず、コストがとても圧迫されていました。
Tさんの育苗方式は、ナイアガラという方式です。上段のベッドに親株を植え、滝のように苗を出す育苗方式です。
もともとこの方式は、病気が少なく、少ない面積で育苗できる、ということで採用した経緯がありました。
ところが、なぜか毎年病気が出てしまいます。
「換気も消毒も防除も、JAの指導の通りやってるんですけどね。。。」
うまくいかない原因がわからず、悩んでいたTさんに、「育苗から菌力アップでやってみませんか?」と提案すると、可能性を感じたのか、早速チャレンジしたいとのことでした。
やり方は簡単です。点滴潅水で、菌力アップを200倍希釈で流すだけです。週に2〜3回の頻度で流します。
点滴なので、使用量はごくわずか。これで病気が減るなら、コストは全く気にならないということでした。
使い始めてしばらくすると、Tさんから連絡がありました。
「驚きました、親株がいいんですよ。ランナーの太さも申し分ないですし、数もすごく良く出てます。病気も今のところ全然って感じで、これなら逆に苗が余りそうですよ。」と。
早速様子をうかがいに行ってみると、素晴らしい光景がありました。
お電話の通り、太く健康そうなランナーが、沢山出ています。病気の気配は全くなく、葉色はとても良い状態です。
Tさんが、おもむろに親株を引き抜きました。
「見てください、根がすごいんですよ。いままでこんなに発根してなかったですもんね。」
写真ではちょっと分かりにくいですが、確かに、親株には、緻密な細根がびっしりと発生しています。
有機物の多い培土も、菌力アップの相性が良かったのか、発根促進効果がしっかり出ているようでした。
「これで、今年は苗を買わなくて済みます。逆に、売っていいくらいですよ。本当にありがとうございました。」
準備された育苗ポットが、待ち遠しいように並んでいました。
ナイアガラ方式では、採苗のタイミングが早いため、活着が問題となりますが、これも菌力アップ100倍希釈を潅水することで活着率が上がることが確認されています。順調にポットに移されていくのが楽しみです。
イチゴは、苗半作、いや苗八作ともいわれます。原因不明の病害対策には、やはり微生物の力が必要と感じます。
良い苗づくりのため、ぜひ菌力アップをご活用ください。
※本記事は、サンビオティック農業通信第24-0720号記事を加筆修正したものです。