ゴーヤー栽培 うどんこ病を乗り越えて「今までで一番よか」
「ここまで成るって思わんやったですよ。なり過ぎて、支柱が曲がりました。(笑)」と、お電話があったのは、熊本県でゴーヤー栽培をしているUさんです。
大ベテランのお父さんの代から引き継いで、二代目農家で頑張っている若手生産者です。
Uさんは、農業に取り組み始めてまだ数年ですが、お父さんを超えるため、新しい技術や資材に非常に興味を持っています。
Uさんの、今までのゴーヤー栽培の課題は、どうしてもうどんこ病が出て、収量が下がることでした。
土が悪いんだろうか、肥料が悪いんだろうか、、、と悩みながら、なんとか良い方法はないものかと考えていました。そんな折、サンビオティックを知ったのです。
早速説明を聞いたUさんは、その考え方、ノウハウに、可能性を感じました。
「今から、取り組んでいいですか?」
実行力のUさんは、すぐに取り組んでみることにしたのです。
Uさんが、使い始めたのは、菌力アップ、糖力アップ、そしてコーソゴールド、本格にがりです。
果たして、うどんこ病と着果不良を、克服できるのか。Uさん自身も、半信半疑でのスタートです。
それから、結果はすぐに出始めました。草勢、つまりツル先の勢いが違うのです。
これまでの様子と打って変わって、太陽に向かって、ぐんぐん生長するようになりました。
「ほんとに効くんですね!言われた通りしたら、肥料の効きがめちゃめちゃ良くなりましたよ!」
再度お伺いしたときには、すでにゴーヤーは以前の姿を変え、息を吹き返したような生育です。
「見てください。もう手入れが間に合わんとですよ!」
聞いてみると、この畑は水はけが良すぎるため、かなり多めに潅水を行う圃場だったそうです。
肥料もかなりの多肥設計で、収量をあげるため、液肥もどんどん流していました。
そのため、チッソ優先の生育となってしまい、ミネラルが足りていなかったのかもしれません。
そこでお勧めしたのが上記の資材です。菌力アップと糖力アップは、微生物を増やし、根の働きを高めます。
さらに、コーソゴールドで雌花を増やし、本格にがりは、ミネラルの働きで病害に強い生育をサポートします。
やってみたところ、根の張りが良くなり、例年にない生育で驚きました。
「お母さんから言われましたよ。長年やってきて、今年が一番良かねって。お陰で30cm級のゴーヤーが、どんどんなってますもんね。そいでも、この勢いですよ。すごかです。収量は2〜3割増えてますよ。」とUさん。
よく見ると、株元には菌力アップから出てきた放線菌が増え、粉を吹いたように出ています。
この圃場では、毎年緑肥としてソルゴーを栽培して、すき込んでいます。
微生物にとっては、最高の環境が整っていたと言えます。
だからこそ、菌力アップをやったときの発根作用も、素晴らしかったんですね。
「それに、これだけ勢いがいいのに、うどんこ病が出ないのは、不思議ですね。お父さんも感心してました。今年は本当に良かったです。パイプは曲がりましたけどね!(笑)」とUさん。
菌力アップだけでなく、糖力アップや本格にがりのミネラルの力があってこそ、この圃場には良かったのかもしれません。でも、計算外だったのは、想像以上に成り過ぎて下葉にカリ欠が出てきたことでしょうか。
来年はさらなる改善も必要です。植物と微生物の可能性を改めて感じた事例でした。
※本記事は、サンビオティック農業通信第24-0720号記事を加筆修正したものです。