サンビオティック体験記

青枯病蔓延に悩むミニトマトに救世主!「菌力アップ」で連作障害を克服!

恐怖の青枯病に悩まされた前作

青枯病の蔓延で多くが欠株状態のミニトマト
青枯病の蔓延で多くが欠株状態に

去年は徹底的にやられましたからねぇ」と少し悲しそうに話すのは、熊本県でミニトマトを栽培しているKさんです。
彼は高品質で味の良いミニトマトを作りたいと、いわゆる「締めづくり」を栽培方針としています

この方法では、水を切って栽培するため、どうしてもストレスが強くて、根が傷みやすいとKさんは語ります。

そして、その難しさから、普段から「土作り」を意識しているのですが、昨年はかなりひどい状況になり、本当に困り果てました。

写真が、昨年の3月、前作のちょうど今くらいの写真です。手前部分のミニトマトの株が無くなっていることが分かると思います。

そうです、青枯病で枯れてしまい、多くが欠株の状態になっている、とても悲惨な状態です。

青枯病のミニトマト
突然に次々に枯れていく恐ろしい病気

青枯病(あおがれびょう)とは、トマトやミニトマトにとって難病中の難病で、これが広がりだしたらトマト農家は青くなるほど恐ろしい病気です。ナス科の植物に特に多い病気です。

青枯病の病原菌は、根や茎の傷口から株の内部に侵入すると、導管内部で増殖し、水の通り道をふさいでしまうのです。

導管を侵されたトマトは再起不能、、、早ければ1〜2日で萎れて枯れてしまう。そういう恐ろしい病気なのです。

Kさんの圃場では、毎年少しの青枯病が出ていましたが、昨年は夏の大雨などの天候不順の影響が大きかったのでしょう。青枯病が猛威を振るい、全体の半分以上も枯れてしまいました

こんなに酷い被害は初めてでしたので、Kさんは自信を失ってしまうほどのショックを受けました
Kさんはがっかりし、何とか対策を講じなければと考え、JA指導員に相談したところ教えてもらったのが「菌力アップ」という商品でした。

商品の説明を聞くと、連作障害対策に使っている人がすごく増えているといいます。この商品になら、「有用微生物を増やすことができば青枯病を克服することができるかもしれない」、Kさんは希望を持ち始めました。

太陽熱消毒の不安と、菌力アップ

そしていよいよ新しい作付けの時期となりました。作付けのスタートはまず太陽熱消毒からです。
事前に十分に準備し「今年はしっかり太陽熱消毒を成功させて、とにかく病原菌を減らさなければ!」そんな思いで取り組んだといいます。

しかし、そう簡単には、物事はうまくいかないものかもしれません。

というのも太陽熱消毒を始めてもなかなか晴天が続かないのです。
曇天続きで地表面の温度を計っても、60℃以上になる日が少ないほどです。

これじゃ20cm下は、きちんと殺菌できとらんかもしれん・・・

また頭の中に去年の悪夢が蘇ります。

もうあんな思いはしとうなか!

そんな思いを抱えたまま1日、また1日と時は過ぎます。8月上旬には定植が迫ってきます。
「大丈夫か?どうする・・・」と不安な時期を過ごしていたようです。

頼みの綱は「菌力アップ」

そんな時、1つだけ期待を持てたのは「菌力アップ」の存在です。

菌(病原菌)を殺すのも大事ですけど、土壌の菌のバランスを良くして、植物に健康に育ってもらことは、もっと大事ですよ」という菌力アップの説明の時に聞いた話は、心に響くものでした。

定植後のミニトマト
8月下旬の写真。定植は8月上旬

「土壌消毒がうまくいかなくても、良い菌がたくさんいれば何とかなるかもしれない」と、そんな思いで太陽熱消毒が終わってからすぐ、再度菌力アップ10L(原液量)を流しました。

(太陽熱消毒の)温度があんまり上がらんやったけんね。このまま普通に行けば、半分枯れても仕方なかと思いますよ。去年の病原菌が残っとるやろうけんですね。

「でも、菌力アップばやって、これで(青枯病が)1割以下に収まれば、ほんと儲けもんと思いますよ!」と、この頃言われていたのを思い出します。

心の中では、一か八かの大勝負、という心境だったのだと思います。

不思議なほど順調に、収穫が始まった

ところがどうでしょう!Kさんの不安をよそに、ミニトマトはすくすくと生長。
開花3段目からは、毎週「菌力アップ」5L/10aを潅水したからでしょうか。

通常なら、そろそろ着果負担が発生し、青枯病も出る頃なのに、、、、それがほとんど発生しません。
定植後には、十数本枯れたのはあったのですが、それ以外は病気が発生するでもなく、広がるでもなく、とても順調なのです。

不思議なほど順調に、収穫が始まりました。例年以上に樹勢はたくましく、葉が光り輝いています

マルチの下に根が張り出したミニトマト
(11月上旬)マルチの下には根が張り出していた。
ミニトマトの元気な根
こんなに根が元気いいのは久しぶり!

そんなとき、ふと気づいたことがあります。マルチをめくると、ミニトマトの根が、地表面に飛び出してきているのです!こんなに元気がいい根を見たのは久しぶりです!

「見てくれんですか!「菌力アップ」のおかげで、根が確かに元気よかとですよ!」そういってうれしそうです。

Kさんも、確かな手応えを感じてくれているようでした。

葉の展開、のきの太さもちょうど良いミニトマト
(11月上旬)葉の展開、のきの太さもちょうど良い。
果梗枝がダブルのミニトマト
果梗枝はほとんどダブルで発生!
葉の展開、色、厚み、そしてツヤも良好なミニトマト
葉の展開、色、厚み、そしてツヤも良好です。
実が成りだしたミニトマト
よく見ると結構なっていますね!

まさに鈴なり!『こんなに育成が良いのは何年ぶりだろう!』

年を越して1月12日、また様子を見に圃場に伺ったところ、Kさんは忙しそうです。
なかなかゆっくりと話す暇がありません。それもそうでしょう。ハウスに入るなり、圧巻の景色。
ミニトマトはまさに鈴なり状態!美しい赤色のみにトマトがびっしりとなっています。

「もうね、取っても取っても、収穫が終わらんとですよ!」とKさん。やや疲れ気味のようです。(笑)

鈴なり状態のミニトマト1
(1月上旬)鈴なり状態のミニトマト
鈴なり状態のミニトマト2
まるで宝石箱のよう。

その日はちょうど農場長がいらっしゃったので、お伺いしました。

「農場長、どうですか?」

「いやー、すごいですね。見てください!この樹勢。週に1回、少ししか潅水しないんですよ。それでもこの樹勢ですからね!」と、とても誇らしそうな顔をしていらっしゃいます。

「それは良かったですね!それで、病気(青枯病)の方はどうですか?その後。」

「やっぱり根が違うみたいですよ。おかげで青枯病は、最初に17本ほど(3600本中)出ましたけど、不思議と広がらないんです。」

「それにこんなに樹勢が良いのは、何年ぶりだろうというくらい良いですよ!とにかく病気が出ないで収穫できるのが一番です。ほんとに良かったですよ!

農場長の満面の笑みが、菌力アップの効果を証明し、Kさんと農場長の将来への希望をつなぐことが出来たようで、私もとてもうれしかったです。

樹勢が良いミニトマト
「こんなに樹勢が良いのは何年ぶりだろう」と農場長
肥大良好で半分以上がLアップのミニトマト
肥大良好で半分以上がLアップ。味も良いとのこと。
太陽熱消毒の不調にも関わらず青枯病を克服した立派なミニトマト

まさに、圧巻のミニトマト!太陽熱消毒の不調にも関わらず青枯病を克服してよくぞここまでなりました!
菌力アップのパワーを思い知るような景色です!

4月になってもまだまだ元気!

青枯病というのは、根の疲弊から始まりやすい病気です。
あれだけ見事になっていたミニトマト。春になり、暖かくなるとやはり心配になるのが青枯病の発生です。
根がボロボロになっていたら、もしかするとまた昨年(前作)のように、青枯病が発生して、どんどん感染していく状況が心配されました。

気になってお伺いしたのは4月中旬。でも、その心配は、ありませんでした。

立派なミニトマト

ご覧の通り(写真)、まだまだミニトマトは元気に成こんで、そして強い樹勢を保っていてくれました!

暖かくなっても、病気はぜんぜん出てませんよ。樹勢も強くて、よう成ってます!」とKさん。

そして、心配した青枯病も全然発生していないというので、ほっと安心しました!

今回の栽培では、菌力アップだけを使用してここまでの変化と成績を見ることが出来ました。
根の働きを維持するということが、こんなにも大きく影響するものなんですね。

当初は、青枯病を1割に抑えれたら「儲けもん!」というほど、心配していましたが、結果は青枯病の発生は、0.5%以下、その他の病害による欠株を含めても、1%以下の被害に抑えました。太陽熱消毒があまりうまくいかなかった割に、良い成績に終わりました。

土作りや微生物の重要性を感じるとともに、これからのポテンシャル感じる内容となり、次作につながる大きな一歩になりました!

のきの勢いも葉の状態も良好のミニトマト
(4月中旬)のきの勢いも葉の状態も良好!
相変わらずダブル果梗枝の成り込みのミニトマト
相変わらずダブル果梗枝の成り込み

菌力アップによる「土作り」は持続可能な農業のマストアイテム

いかがでしょうか。青枯病で全体の半分以上も枯れてしまったという失意の底から、見事に病気を克服し、経営を立て直したKさんの事例を見ていただきました。

場合によっては、青枯病菌は、10年以上も土中で生存するといいますから、これはまさに「土作り」の勝利!ということではないでしょうか。

ミニトマトやトマト栽培では、太陽熱消毒が非常に普及しています。太陽熱消毒は、低コストでかつ、薬剤を使わない分、環境にも優しい次世代の技術であると思います。
しかし、天候不順などで消毒がうまくいかないリスクが伴います。そして、消毒後の大雨で冠水することや、定植後の残暑や日照不足など、栽培には非常に大きなリスク、不確定要素がつきまとっているんですね。

だからこそ、これからの農業ではより一層、「土作り」に神経を注がなければなりません
「土作り」がうまくいくと、植物の根はこれまで以上に発達し、土壌から肥料成分だけでなく、微生物の代謝物や、有機物やアミノ酸などを吸収するようになるのです。
それが、先ほど挙げたような「栽培上の天候リスク」を軽減し、そしてそれを乗り越えてくれる原動力になるんですね。

「菌力アップ」は、土壌の有益な微生物の量とバランスを改善します。とても簡単な方法で、誰でも簡単に理想の土作りができる画期的なツールなんですね。「菌力アップ」を継続的に潅水することにより、植物には凡そ想像もつかないほどの共生微生物が繁殖し、土壌を改善し、植物の強い生育を支えてくれるのです。

私たち人間も、腸内に非常に多くの微生物が共生し、私たちの健康を支えています。腸内細菌の質と量が良くなるほど、体調は優れ、気分が良くなり、幸せな人生を過ごすことが出来ます。
実際に、腸内微生物が幸せを感じるホルモンを出して私たちを幸せにしてくれたり、ウイルスや病原菌に抵抗する力(免疫力)のほとんどを、腸内細菌の働きが担っているということですから、本当に私たちは微生物に感謝する必要がありそうですね。

そして、植物も全く同じなのですね。土壌の有機物と微生物を「少しだけ」意識することにより、健康的な作物の栽培が可能になります。 とてもシンプルで小さな気づきなのですが、非常にインパクトのあることだと思います。

今回は、ミニトマトの事例を参考に、青枯病対策とその克服の実例をご紹介しました。Kさんの地域の農家仲間の間では、今回の実績を重要視して、多くの方が太陽熱消毒から菌力アップを導入することになったそうです。
その行動力、素晴らしいですね!きっと、地域全体の成績が、さらに良くなってくることと思います。

肥料やさまざまな資材が高騰する中、土作りにかかるコストは比較的安く、そしてリターンが大きいものと思います。今回ご紹介したような考え方が、これからの皆様の農業のお役に立てることを願っています。