サンビオティック体験記

大津4号 隔年交互結実栽培事例 生理落果の防止がポイント

サンビオさんのお陰で自信が持てました」とおっしゃってくださったのは、3年前からサンビオティックに取り組んでいるMさんです。11月中旬の良く晴れた日、久しぶりに園地をお伺いしました。

「よく来られましたね。本当に、すごくいいですよ。」と満面の笑みをたたえながら、出迎えていただきました。
やや、山の頂にあるような園地を案内され、車を降りてみると、今まさに食べごろのミカンがが美しく色づいています。

それはそれはもう、うっとりするほど美しく、たわわになっているミカン。一見して、反当6〜7tはあるな、と感じます。

一つ一つのミカンをなでながら、「どうぞ、このミカンを触ってください。ほんとに硬いですよ。」とMさん。
触ってみると、本当に硬い。すこしオーバーにいうと、カチカチに近いくらい硬いミカンです。

驚くなかれ、この園地では、大津四号という晩生品種を隔年交互結実栽培という方法で、栽培しています

つまり、1年おきに実を成らせる方法なんです。大津四号や青島、または寿太郎の様な、晩生種は隔年結果しやすいので、悩んでいるかたが多いのですが、こちらの園地では、思い切って、圃場によって遊休樹と、結果樹を分け、1年おきに成らせるという方法をとっているんですね。

「いまですね、このくらいの硬さがあると、1月、2月ごろ、本当にちょうどいい硬さになるんですよ。本当に理想的ですよ。」とにっこりしています。
たしかに、これで大津4号か、と思えるほど非常に良く締まっていて、ほどよいサイズのミカンです。

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そして、成り方が、まさに鈴成りです。これはもう、ミカン農家でなくても圧巻の景色です。

「いや〜、素晴らしいですね!この成り方!」と、ついつい叫んでしまうほど、素晴らしい着果状態です。

大津4号は、裏年でも表年でも、やはり肥大が進み、2Lばかりできてしまうイメージですが、こちらのミカンは、Lサイズ中心でちょうど良い大きさ、果形も申し分ありません。

Mさんが、無作為にミカンをちぎり、糖度(BRIX)を測ってくれました。

驚きました。11月中旬の時点で、数字はなんと15.4度!

本当かなとおもって食べさせていただくと、まだ酸が強いものの、非常に濃厚で、酸に負けないくらいの強い甘みがあります。

現時点で15.4度ですか、すごいですね。収穫まであと2週間くらいですか?まだ上がりますね?」とお聞きすると、「まだ上がりそうですかね。貯蔵している間にも、食味が良くなりますから、美味しいミカンになると思いますよ。」と、やや謙遜気味にお答えになりました。

「よくこんなに成りましたね。今年は、生理落果が多かったんじゃないですか?」

そうです。この年の春から夏にかけては、やはり異常気象と言ってよい状況でした。地域のミカン農家の間では、生理落果が3回来たといいます。日照不足が続き、2次生理落果がいつまでも続き、落ち続けるような天候でした。

「それはやっぱり、サンビオさんの肥料のお陰ですよ。春にやる鈴成ですね、それにコーソゴールド。やっぱり、リン酸の効き方が、素晴らしいですよ。近くの農家さんと比べて、生理落果がすごく少なかったですよ。

交互結実栽培では、2年に1回成らせますから、当然のことながら、結果年、成らせる年に生理落果することが、一番のリスクです。もしも成らせることができなかったら、1年分の努力が台無しですし、サイクルが乱れるので、計画的な収益が計算できなくなってしまいます。

逆に言えば、成らせることさえできれば、あとは良いミカンができると言えます。その一番のポイントは、やはり、根づくり、そしてリン酸の効かせ方でしょう。根があるという事は、樹に「体力」があるという事でもあります。

根がものすごいんですよ。みんな、ここを見に来た人は、なんでこうなるの?と聞きます。やっぱり菌力アップで、根が出るんでしょうね。」

今年の秋は、高温が続き、9月には台風や大雨など、ミカンにとっては、非常に厳しい条件でした。

「みんなびっくりしていますよ。葉の色がすごくいいんですよね。この色にならないと、ミカンは美味しくならないですから。」

交互結実栽培の場合、1年おきなので、かなり樹勢が強い状態で実がなります。その勢いを利用しながら、うまく生殖生長型に移行できれば、非常によいミカンができるんですね。

そのためにMさんが実施したのは、春肥と夏肥の鈴成の施用。そして、7月上旬のタイベックの被覆。それからは、コーソゴールド、本気Ca(マジカル)本格にがり、そして海王(うみおう)をここまで8〜9回葉面散布しています。

お陰で、葉色は落ちついて、果実にどんどん糖分が転流しているのがよくわかります。
果皮が硬く、浮皮は一つも見当たりません

「いまは硬いですけど、1ヵ月以上貯蔵しますから、ちょうどよい硬さになりますよ。貯蔵腐敗も、ほとんど出ないですね。」

「私はもう、完全にサンビオさんのファンですよ。最高ですね!」と明るく笑って言ってくださいます。

ミカン作りが生きがいと、本当に目を輝かせておっしゃいますが、地域でも最高峰のこのミカンには、間違いなく今年の金メダルが輝きそうです。

サンビオティックが、ミカンの名産地を支える技術となることができて、本当にうれしく思いました。