あ行
アレロパシー(Allelopathy)とは、ある植物が環境中に放出する化学物質によって、他の生物に何らかの影響を与える現象をさす。アレロパシーの農業利用として、一緒に植えることで雑草抑制、害虫除去、生長促進をするコンパニオンプランツが知られている。
植物の生長と発達を制御する上で、重要な役割を果たす植物ホルモンの一種。
作物の収穫までの期間が比較的遅い品種。同じ作物であっても、生育の速さによって早生(わせ・そうせい)、中生(なかて・ちゅうせい)、晩生(おくて・ばんせい)の品種に分類される。
か行
果実を付けるために枝や茎から分岐して伸びる細長い枝のこと。
移植した植物や接木、挿し木などが、新しい植え替え場所で根を張って生長を続けることを指す。
さ行
サイトカイニン (cytokinin) は、植物ホルモンの一種。細胞分裂の促進、根の伸長抑制、老化抑制、種子の発芽促進などの重要な働きをする。
植物酵素は植物に存在する生物触媒。植物酵素は、生物由来の環境にやさしい方法で化学反応を促進するため、さまざまな分野で重要な役割を果たす。農業においては、生育促進剤や肥料の製造などで利用されている。
生殖生長とは、発蕾・開花・結実などの生殖に関係する生育過程を指す。
果樹の生理落果は、花が落下する「早期落果」と、収穫前の果実が落下する「後期落果」の2つに分けられる。
早期落花は、受精不良や栄養不良、気象不良が主な原因とされる。後期落果は、果実同士が生長に必要な栄養を競い合う養分競合が関与していると考えられている。このように、果樹の生理的な落果は、果樹自体が健全な状態を維持するための自己調節作用ともいえる。
た行
窒素同化とは、植物が、外界から取り入れた硝酸塩、窒素、アンモニアなどの無機窒素化合物を、生体を構成するタンパク質や核酸などの有機窒素化合物を合成する働きを指す。
着果ホルモンは、植物ホルモンの中でも、果実の発育と成熟に関与するホルモンを指す。主要な着果ホルモンには、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニンがある。
穀物の種子がだんだん発育・肥大していくこと。成熟種子を生産対象とする穀類やマメ類などに用いられる。
な行
作物の収穫までの期間を早・中・晩に分けたとき、中間になる品種。同じ作物であっても、生育の早さによって早生(わせ・そうせい)、中生(なかて・ちゅうせい)、晩生(おくて・ばんせい)の品種に分類される。
は行
品種とは、作物の栽培において、一定の特徴に基づいて同一の単位として分類される個体を指す。作物の品種の具体例は、ジャガイモの男爵、メークインなど。
なお、作物の品種は、交配種(F1)と固定種の2つに分類される。交配種は、雑種一代とも呼ばれ、異なる性質を交配することで品質や収量、育てやすさにおいて優れている(雑種強勢)が、二代目には引き継がれない。固定種は、自家採種した種で、同じ特徴を持った作物を作ることができる。
イネ科の水稲や小麦、トウモロコシなどの植物の株元付近の関節から新芽が伸びて株分かれすること。分枝とも呼ばれる。
ら行
イチゴやイチジク、ハナミズキ、キイチゴなどに見られる「匍匐茎(ほふくけい)」と呼ばれる茎のこと。 ランナーは、親株から地表面を這うように長く伸びて、先端から出てきた芽や根が子株として生長し、一定の大きさに生長すると、切り離して独立させることができる。
わ行
作物の収穫までの期間が比較的短い品種。同じ作物であっても、生育の早さによって早生(わせ・そうせい)、中生(なかて・ちゅうせい)、晩生(おくて・ばんせい)の品種に分類される。