農業用語集(土づくり・肥料)

あ行

秋肥
あきごえ

秋に行われる植物への追肥。収穫後のなり疲れの回復と、冬期に備えるための栄養補給などを目的とする。

アゾトバクター
あぞとばくたー

アゾトバクター(Azotobacter)は、土壌や水中に広く分布する窒素固定菌の一種である。自然界における窒素循環の役割を果たしている。

アミノ態窒素
あみのたいちっそ

有機物中に存在するアミン類の窒素のこと。アミン類はアミノ基を含む有機化合物であり、アミノ基に結合した窒素がアミノ態窒素である。生物にとって重要な栄養源であり、タンパク質合成や生物の成長・発育に不可欠な役割を果たす。

EM
いーえむ

EM(Effective Microorganisms)とは、乳酸菌や酵母、光合成細菌など、自然界に存在する有用な微生物の総称。農業や畜産、環境浄化などに幅広く活用されている。なお、通称EM菌として知れ渡っているが、特定の菌の名称ではない。

イトミミズ
いとみみず

水田などの泥土質の場所に多く生息する土壌生物で、頭部を泥の中に突っ込んだ状態で生活する。泥に埋まっている頭部から有機物を摂取し、尾の側から糞を排出する。イトミミズが排出する糞は栄養豊富な層を形成するため、土壌の栄養循環を促進し、農作物の生育をサポートする。

上澄み液
うわずみえき

固形物を溶解させた後に、沈殿物の上に浮いている透明な液体のこと。固体肥料の上澄み液は、肥料成分が植物の根や葉から効率的に吸収されやすいため、葉面散布や潅水散布などの方法で利用されることがある。

液肥
えきひ

液肥(液体肥料)は、水溶液状の肥料を指し、花や野菜などあらゆる植物に使用できる。土壌灌注だけでなく、葉面散布による施用も可能。使用する際には、用途に合わせて希釈して施用する。液体肥料は即効性があるが、水と一緒に流れやすいため、効果が持続しない。液肥は土耕栽培だけでなく、水耕栽培でも利用することができる。

塩基バランス
えんきばらんす

土壌中に含まれるカルシウム(石灰)・マグネシウム(苦土)・カリウムのバランスを指す。これらの成分は、土壌の健全性と作物の栄養吸収に重要な影響を与え、互いに影響し合っているため、適切なバランスが重要である。石灰、苦土、カリウムの比率が崩れると、土壌中にこれらの成分が十分に含まれていても作物に吸収されにくくなる。一般的にカルシウム(石灰)・マグネシウム(苦土)・カリウムのバランスは、5:2:1が理想とされている。

お礼肥
おれいごえ

花が終わった後や実を収穫した後に植物に施す肥料のこと。生長や開花、実をつける過程で消費した栄養素を補給し、再生や新たな生長を促すために施される。一般的に、お礼肥えには速効性のある化成肥料や液肥が使用される。

か行

カリウム
かりうむ

カリウム・カリ(K)は、植物の生育に必要な肥料の3要素の一つ。根肥(ねごえ)と呼ばれ、葉で作られた炭水化物を根に送り、根の発育を促したり、植物を丈夫にして病気などに対する抵抗力を高める働きがある。

キチナーゼ
きちなーぜ

キチンのグリコシド結合を分解する加水分解酵素。キチナーゼは、糸状菌(カビ)の細胞壁やセンチュウの卵を構成するキチンやタンパク質を分解する。土壌中の放線菌は、キチナーゼを分泌するため、病害虫の抑制に役立つ。

キチン
きちん

キチンは、エビ・カニなどの甲殻類や昆虫類などの外骨格(殻)の主成分で、カビ・キノコなどの細胞壁などにも含まれている。強度成分としての機能を担う難分解性の高分子多糖で、生体防御機能に重要な役割を果たす。
キチンは、病原菌や害虫の攻撃など外部の刺激を受けた際に、生体防御物質であるエリシターを生成する。エリシターは、病原菌に対して抗菌活性をもつファイトアレキシンの蓄積をするなどの働きをする。

共生微生物
きょうせいびせいぶつ

植物との共生関係において、互いに利益をもたらし、生態系の健全性や土壌の肥沃度を向上させる微生物の総称。菌根菌と根粒菌はその一例。

キレート
きれーと

炭水化物やアミノ酸などの有機酸が、吸収されにくい養分であるミネラルと結合することにより、植物や微生物にとって非常に吸収しやすい形態になること。
例えば、植物は根酸を分泌して周囲のミネラルをキレート化する。このキレートにより、植物の栄養吸収は促進される。

菌根菌
きんこんきん

植物の根の内外に菌根を形成して共生する真菌(カビ)。菌根菌は植物の根の表面や内部に着生し、菌糸を伸ばして根と絡み合い、根の表面積を増やすことで、土から取り入れた窒素、リン酸、カリウム、鉄などの無機栄養分を、植物が吸収しやすい形に変換したり、土壌病害から植物を守る働きをする。そして、菌根菌は植物が光合成で得た有機物を受け取り、生命活動を行う。
シメジや松茸、トリュフなど、自然界に生えるキノコの多くは菌根菌であり、アブラナ科とヒユ科以外のほとんどの植物と共生できる。

ケイ酸カリウム
けいさんかりうむ

ケイ酸カリウム(珪酸加里)は、カリウムとケイ酸が結合した肥料で、植物にとって重要なカリウムを供給する。ケイ酸カリウムはカリウムを含む肥料の中でも、植物にカリウムを効率的に供給することができるため、農業や園芸で広く利用されている。カリは根肥といわれ根の発達や水分吸収、光合成、花や果実の形成などに関与する。

嫌気性微生物
けんきせいびせいぶつ

酸素の供給が制限された状況で生育する微生物の一群。土壌中では好気性微生物と嫌気性微生物が共存し、それぞれが土壌の生態系において重要な役割を果たしている。嫌気性微生物は、水没した領域や土壌中の深層部、堆肥などでも活発に生育し、有機物の分解や栄養循環を促進する。
また、嫌気性微生物は、嫌気的環境下でのみ発育できる「偏性嫌気性微生物」と、嫌気的環境でも好気的な環境でも発育増殖できる「通性嫌気性微生物」に分類される。通性嫌気性微生物は、酸素の少ない劣悪な環境でも活動できるため、土壌改良に役立つ。

好気性微生物
こうきせいびせいぶつ

酸素を利用して生育する微生物の一群。土壌中では好気性微生物と嫌気性微生物が共存し、それぞれが土壌の生態系において重要な役割を果たしている。
好気性微生物は、主に酸素が豊富な土壌中の表層部分で活発に生育し、有機物の分解や栄養循環などに役立つ。好気性微生物が有機物を分解する速度は、嫌気性微生物よりも格段に早い。

酵母菌
こうぼきん

酵母菌は、酵母菌が生成する酵素により、糖分を分解してアルコールや二酸化炭素を生成する。この特性は、ビールやワイン、チーズ、パンの発酵プロセスで活用される。
農業においても、酵母菌は土壌中の有機物の分解や病原菌発生の抑制、土壌構造の改善に役立つ。

根圏微生物
こんけんびせいぶつ

根の周り(根圏)に生息する微生物のこと。根圏では、植物が分泌する根酸(クエン酸やリンゴ酸など)や、腐植酸(フェノール類など)といった有機酸などをエサに微生物が繁殖し、その微生物が窒素固定をするなど、作物と微生物が共生する活性の高い場となっている。

根粒菌
こんりゅうきん

マメ科植物の根に根粒を形成して共生する細菌。根粒菌は、大気の窒素を植物に供給しやすいアンモニアに変換し(窒素固定)、マメ科植物に窒素を供給する。また一方で、根粒菌はマメ科植物が光合成で得た有機物を受け取り、生命活動を行う。

さ行

糸状菌
しじょうきん

糸状菌は、カビとして一般的に知られる細菌で、菌糸と呼ばれる糸状の構造を形成し、胞子を通じて増殖する。代表的な糸状菌には、キノコ類や麹菌、白癬菌などがある。糸状菌は、空気中や水中、そして人体など、さまざまな環境で生息する。特に土壌中には、糸状菌の種類が十万種以上存在し、放線菌よりも多く、土壌微生物の中で最も多いと言われている。糸状菌の中には植物の病害を引き起こすものもあり、炭疽病菌やうどんこ病菌など、さまざまな種類がある。
一方、糸状菌は土づくりにおいて非常に重要な存在であり、土壌の健全性や植物の生育を向上させる役割を果たす。特に、菌根菌と呼ばれる糸状菌は植物の根と共生することで、根の吸収力を高めたり、栄養を供給するのに役立つ。

硝酸態窒素
しょうさんたいちっそ

窒素は、作物の生長に必要な窒素・リン酸・カリウムの中でも、葉や茎の生長に特に必要な栄養素である。硝酸態窒素は、植物が栄養として吸収しやすい形態に変換された窒素成分であり、即効性の高い肥料として利用される。ただし、硝酸態窒素を過剰に与えると、作物が必要以上に吸収してしまう。硝酸態窒素が残留した作物を摂りすぎると、健康リスクを引き起こす可能性がある。そのため、適切な硝酸態窒素の施肥が好ましい。

石灰窒素
せっかいちっそ

石灰窒素は、カルシウムシアナミドを主成分とする、肥料・農薬・土作りの3つの機能を持つ化合物。シアナミドは、病害虫や雑草の防除をする農薬として効果を発揮したのち、アンモニア型主体の肥料成分に変化し、完全に分解消滅する。
石灰窒素の窒素成分は、主にアンモニア型であり、土壌中で硝酸型に変化しにくいため、作物にゆっくりと吸収される。 また、石灰窒素はアルカリ性のため、酸性雨による土壌の酸性度を中和し、土壌環境を改善することができる。

た行

堆肥
たいひ

堆肥とはわらや落ち葉などの植物や、鶏や牛などの家畜の糞などの有機物を発酵させて作る土壌改良のための資材。堆肥をすき込んで、土の中の有効な微生物を増やし、土を肥沃にする働きがある。

太陽熱消毒
たいようねつしょうどく

太陽熱消毒とは、太陽の熱で土壌を高温にし、病原菌や有害微生物、害虫、雑草の種子などを死滅させる土壌消毒方法。

団粒構造
だんりゅうこうぞう

団粒構造とは、土が「団(かたまり)」と「粒(つぶ)」が結合してできる、作物の栽培に適した土壌の構造を指す。
土壌は、団粒構造によって多くの微小な隙間が生まれ、通気性や排水性、保水性などの性質が向上する。
団粒構造は、微生物やミミズなどの土壌生物の活動によって形成される。微生物が有機物を分解する際に分泌する粘性物質や、ミミズの糞などが接着剤となり、土壌粒子同士が結びつく。

窒素
ちっそ

窒素(N)は、植物の生育に必要な肥料の3要素の一つである。葉肥(はごえ)とも呼ばれ、主に葉や茎の生長には必要不可欠。光合成に必要な葉緑素、植物の体を形作るタンパク質など、植物が生長する上で重要な役割を果たす。

窒素固定
ちっそこてい

空気中の窒素を動植物が利用できるアンモニア態窒素に変換すること。通常、植物は、空気中の窒素を栄養素として根から直接吸収することはできないが、マメ科植物は、窒素固定ができる根粒菌と共生し、空気中の窒素をアンモニア態窒素に変える事ができる。マメ科植物の根には、根粒と呼ばれるコブ状の組織が形成される。根粒には根粒菌が共生しており、根粒内で窒素固定を行い、アンモニア態窒素をマメ科植物に供給する。マメ科植物は、この共生関係によって窒素を吸収し、生長することできる。

窒素固定菌
ちっそこていきん

窒素固定を行う細菌。窒素固定菌は、単独で窒素固定を行う単生窒素固定菌と植物と共生しながら窒素固定を行う共生窒素固定菌の2つに分けられる。共生窒素固定菌では、根粒菌と放線菌の一種であるフランキア菌の2種類が知られている。根粒菌は、マメ科植物に共生し、フランキア菌は、ヤマモモ科、カバノキ科、グミ科などに代表される8科200種類以上の樹木に共生することができる。単生窒素固定菌では、通気の良い土壌に存在するアゾトバクターと、通気の悪い土壌で発酵を行うクロストリジウムなどがある。

窒素固定微生物
ちっそこていびせいぶつ

窒素固定を行う微生物。「微生物」は「菌」とほぼ同じ意味で、「窒素固定菌」と「窒素固定微生物」は同義。

窒素循環
ちっそじゅんかん

農業における窒素循環とは、土壌中の窒素が植物や微生物によって吸収され、生態系内で循環するプロセスを指す。窒素は、植物の生育に必要な栄養素の一つであり、非常に重要な役割を果たす。

追肥
ついひ・おいごえ

作物の生育途中で、肥料分が不足してきた時に施す肥料のこと。

土壌EC値
どじょういーしーち

土壌EC値(Electrical Conductivity)は、土壌の電気伝導性を示す指標。EC値は、肥料分の調整に使われ、土壌中に含まれる溶解性イオン(肥料や塩分)の濃度が高いほど高くなる。土壌EC値は、硝酸態窒素との関係性が強いとされ、土壌中の硝酸態窒素の量を推定する際に利用されている。

土壌善玉菌
どじょうぜんだまきん

土壌の中に存在する有益な微生物の一群。土壌善玉菌は、土壌の健康や植物の生長、土壌生態系のバランスを維持する重要な役割を果たす。

土壌微生物
どじょうびせいぶつ

土壌微生物とは、土壌中に生息する微生物の一群を指す。土壌微生物は、細菌、放線菌、糸状菌、藻類、原生動物、センチュウに分けられる。土壌微生物は、有機物の分解や栄養循環、病原菌制御、土壌構造を形成するなど、土壌の健全性や生産性に大きく影響を与える。

土壌分析値
どじょうぶんせきち

土壌の特性や状態を評価するために行われる分析結果のこと。土壌分析は、土壌の肥沃度、pH値、EC値、塩基バランス、有機物の含有量などを評価し、適切な施肥計画や土壌改良に役立てるために行われる。

な行

夏肥
なつごえ・なつひ

植物が最も活発に生長する夏季に行う追肥。

乳酸菌
にゅうさんきん

糖を分解して乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称。一般的には発酵食品の製造に利用されているが、農業においても有用な細菌。
乳酸菌は、土壌の有機物を分解して土壌の肥沃化に貢献する。また、土壌のpH調整、病原菌や有害微生物の抑制、さらには作物の根の生長をサポートすることができる。

は行

バチルス菌
ばちるすきん

バチルス菌(Bacillus subtilis)は、空気中や土壌中など、自然界に広く存在する好気性細菌の一種。稲ワラや枯れ草を分解することから枯草菌とも呼ばれ、納豆菌の一種としても知られている。「芽胞」を形成し、熱や酸、消毒液にも負けず生き延びることができるなどの特性を持ち、人の暮らしの様々な分野で活用されている。農業においては、土壌中の糸状菌(カビ)の増殖を抑えたり、土壌中の有機物を分解するなど、土壌改良に役立つ。

発酵リン酸
はっこうりんさん

発酵リン酸は、肥料の三大要素の一つであり、花や実、根の形成に必要な、リン酸を補うための肥料。土壌中のリン酸は、他のミネラル類(鉄、アルミニウムなど) と結合し吸収が悪いため、植物が利用しやすい形態に変換する必要がある。発酵リン酸は、有機物を微生物で発酵させることにより、リン酸を植物が吸収しやすい形態に変換した肥料。

春肥
はるごえ・しゅんぴ

春肥は、早春から夏にかけて、作物に施す肥料を指す。

pH
ぴーえっち・ぺーはー

pH(水素イオン濃度指数)は、水溶液の酸性・アルカリ性の強さを0〜14の値で表す指標である。
中性を示すpH7.0を基準とし、pH7.0より小さい場合は酸性が強く、pH7.0より大きい場合はアルカリ性が強いことを示す。
多くの作物はpH6.0~6.5の弱酸性土壌でよく育つが、作物の中には酸性を好むもの、アルカリ性を好むものがあり、それぞれの種類に適したpH値の調整が必要である。

微生物資材
びせいぶつしざい

微生物資材とは、微生物を豊富に含んだ粉末や液体の物質を指す。微生物資材には、生きた微生物だけでなく、微生物を安定して保持するための担体や微生物を活性化させるための栄養素などが含まれる。各微生物が得意とする分野は異なり、土壌のほか大気、水質などの改良に活用される。土壌改良においては、土壌中の有機物分解、窒素固定、病原菌の抑制などの働きをする。

微生物相
びせいぶつそう

土壌中の微生物相(土壌微生物相)は、土壌中に存在する細菌、放線菌、糸状菌(カビ)、藻類、原生動物などの様々な種類の微生物の集合体を指す。
土壌中の有機物は、微生物によって分解され、微生物の死骸や排泄物といったアミノ酸や糖類などの有機物も他の微生物の栄養源となり、生長や増殖に活用される。一部の微生物は窒素固定能力を持ち、他の微生物や植物に窒素を供給する。放線菌やバチルス菌などの微生物は、病原菌を抑制する働きを持つ。
これらの微生物相の多様性と相互作用は、土壌生態系の栄養循環と持続可能性において重要な役割を果たす。

肥料
ひりょう

植物が健全に育つように土地に施す栄養分。窒素、リン酸、カリウムの肥料の3要素や微量要素を植物が吸収しやすい形で含んでいる。化学肥料のほか米ぬかや油粕などの有機物も肥料として使われる。

放線菌
ほうせんきん

土壌中に生息する、好気性細菌の一種。動植物に寄生して病原菌となる嫌気性放線菌も一部存在する。細胞の構造や大きさは細菌類と似ているが、糸状の菌糸を放射線状に伸ばして生育し、その先端に胞子を形成する。生態系においては、落葉などの有機物の分解や物質循環に関わる分解者として大きな役割を果たす。高温にも耐性があるため、太陽熱消毒後も生き残り、土壌構造の構成や土壌改良に役立つ。
抗菌薬ペニシリンや結核治療薬ストレプトマイシンは、放線菌が病原菌の生育を抑えるために出す抗生物質として発見された。現在でも医療現場で使用されている7割の抗生物質は放線菌由来である。

ぼかし
ぼかし

ぼかし(ぼかし肥料)とは、米ぬか・魚かす・油かす・骨粉・カニガラなどの有機質肥料を主な原料とし、それらを微生物により十分に分解、発酵させてつくる肥料のこと。「ぼかし」という名前は、土に混ぜることで、肥料分が薄められる(ぼかされる)ことに由来する。作物の生長初期に栄養分を迅速に供給することができるため、一般的に種まきや苗植えの際に使用され、土壌改良や微生物活性の促進にも寄与する。

保肥力
ほひりょく

土壌が持っている肥料成分を保持する能力のこと。 土壌に有機物を施用して微生物の働きを活性化させ、土壌を団粒構造にすると、保肥力が高まる。これにより、土壌中の肥料成分が流出せずに植物の根に吸収されやすくなる。

ま行

元肥
もとごえ

植物の種や苗を植え付ける前に、あらかじめ土に混ぜ込む肥料のこと。

や行

有機酸
ゆうきさん

植物や微生物が有機物を分解して、エネルギーを得る際に分泌される化合物。微生物は、発酵の過程で有機物を分解し、有機酸を生成する。植物の根から分泌される有機酸は、根酸と呼ばれ、土壌中の栄養素の吸収を促進する。果実に含まれるクエン酸やりんご酸、ホウレンソウなどの一部の野菜に含まれるシュウ酸も有機酸の一種である。

有機酸鉄
ゆうきさんてつ

植物に吸収されやすい形態の鉄のこと。土壌中に鉄(酸化鉄)は豊富に存在するが、難溶性のため植物には吸収されない。しかし、植物の根や微生物が分泌する有機酸が鉄と結合して有機酸鉄になることで鉄がキレート化される。キレート化された有機酸鉄は、水に溶けやすくなり、植物の根により効果的に吸収される。

有機肥料
ゆうきひりょう

有機肥料は、化学合成された化学肥料とは異なり、有機物を原料として作られる。

有機物
ゆうきぶつ

有機物とは、広義では生物由来の炭素を含む物質を指す。
農業における有機物は、植物のくずや落ち葉や、家畜の糞などを堆肥化させることで得られ、土壌改良に役立つ。

ら行

緑肥
りょくひ

主要農作物の間作として栽培し、生長後そのまま耕して肥料にすること。水田の休閑期に見られるレンゲソウなど。緑肥は、土壌改良や病害虫の予防、雑草の抑制などに効果がある。
代表的な緑肥作物には、イネ科とマメ科があり、特にマメ科の植物は、根粒菌の作用により窒素を固定する効果がある。

リン酸
りんさん

リン酸(P)は、植物の生長に不可欠な肥料の3要素の一つ。リン酸は、花肥(はなごえ)または実肥(みごえ)と呼ばれ、開花・結実を促進するほか、植物の遺伝情報の伝達のもととなるDNAやRNAの構成成分として重要な役割を果たす。

リン酸鉄
りんさんてつ

リン酸が土壌に施用されると、土壌中にあるカルシウムや鉄、アルミニウムなどと結合してリン酸塩(リン酸鉄)を形成するため、植物に吸収利用できない形態になる。この過程によって、リン酸鉄は土壌中に生成される。