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株式会社大地のいのち 企業理念(経営理念)

皆様、いつもありがとうございます。今回は、弊社の企業理念をちょっとご紹介したいと思います。

企業理念って、会社の中でもなかなか社員・従業員へ浸透させるのは難しいですし、ましてや社外の方、お客様に知ってもらったり、理解してもらう機会は少ないですね。それに、企業理念というのは、会社の商品やサービスに必ず反映するものですし、自然と伝わっていくものではないかなと思います。

でも、時には経営姿勢をきちんとご説明することも大切かなと思い、この場を借りて、取引先・お客様だけで無く、当社の社員・従業員にも読んでいただければなと思い、ここに説明を試みたいと思います。

企業理念(経営理念)のご紹介

まず、私たちが大切にしている弊社の企業理念をご紹介させてください。

三方よし経営の実践

私たちは、「売り手よし・買い手よし・世間よし」の精神を礎に、
ただ利他の心をもって仕事に励みます。
お客様の先にいる消費者、生産者、そして社員の喜びを共に創り出し、
健やかで持続可能な社会づくりに貢献します。

土壌と動植物と人の、健康を取り戻す

私たちは、人の健康、そして土壌や動植物を含む「自然」の健やかさを追求します。
大地から始まる「いのち」は、すべてつながっています。
だからこそ、見た目や流行に惑わされず、
健康の本質を支える確かな技術と方法を選び抜き、お客様にお届けします。
目立たなくても、まっすぐに、本物をつくります。

株式会社大地のいのち
代表取締役社長 生田智昭

「三方よし」を、意思決定の根本に。

「三方よし」という言葉や思想をご存じの方は多いと思います。弊社も、「三方よし経営」を経営理念、社是としております。

これは先代が、創業当時から中心に据えた経営思想です。私は、当社が創業から50年以上もの歴史を、多くの苦難・難局を乗り越えつつも、なんとか経営してこれた理由の一つが、三方よしを目指して来たからに他ならないと思っています。先代のそういう志、理念を尊敬し、尊重したいと思っています。

三方よしは、近江商人の商売の基本であったそうです。「売り手よし・買い手よし・世間よし」というのは、「自分だけよければ良い」という自己中心的な発想を明確に否定するもので、「商売というのは誰かの幸せのためにやること」という分かりやすい指針だったと思います。

こういう思想って、本当に日本的、もしくは仏教的だなと思います。私たちは、周りに生かされ、全体の一部なんだから、自分だけよくなってもダメなんだということでしょう。

ビジネスの世界では、「ゼロサムゲーム」という本当に貧相な思想が広がっているように思えることがあります。誰かが得して、誰かが損するような仕組みや活動を、「仕事」と呼んで良いのかなと思ってしまいます。その行き着く先は、とても利己的で貧しい社会になるに決まっています。

私たちが働くことによって、周りの人たちが、少しずつ幸せになっていく。そんな経営をしたいと心から思います。

「三方」とは、誰のことだろう。

私たちの仕事、業務において、「三方よし」の「三方」とは、誰のことだろうと思います。

一般的に三方とは、「売り手」「買い手」「世間」の事です。これを弊社に当てはめると、お客様や、最終的に商品をご利用くださる消費者、また農業生産者(農家)、そして社員や地域のことでしょう。まずは、その人達の顔を思い浮かべながら、少しでも役に立つように努力するのが会社の使命です。

そして私は、さらにもっと先の顔まで思い浮かべるようにしたいと思っています。それは、次にこの仕事を引き継ぐ人たちや、未来の子どもたち、未来の日本や自然に対しても、想いを馳せる必要があると思うのです。日本のこれからの農業や、自然環境、そしてその恵みを享受する未来の人たちに対しても、いま私たちにやれることをやっていきたいなと、そのように思います。

「持続可能な社会づくり」というのは、未来のことまで考えて行動するという事です。

「自分さえよければ良い」とか「今がよければ良い」という、そういう貧相な考え方に陥らないように、「三方よし」の理念を掲げ、私たち自身を戒めて行きたいと思います。

「利他の心」に込める想い

「利他」というのは、仏教では、非常によく使われる言葉のように思います。その意味を、文字通りに解釈すると、「人のために」とか、「自分の事は後回し」いう意味で捉えられる言葉じゃないでしょうか。

ただ、こういう「利他」の捉え方は、ちょっと正しくないように感じます。それは、自分と他人を明らかに区別し、優先順位を付けているからです。

本来仏教では、「自他一如」という考え方が根本にあり、「自分も他人も、実は同じだ」とか、もしくは「自分と他人を分けて考える意味は無い」という思想があるのではないでしょうか。もっとわかりやすく言えば、「全体で一つ」なのだという考え方です。

これは、個性とか多様性ということを否定するものではなく、個性や多様性がしっかりと機能してこそ、「全体」が繋がって一つになるのだと思います。

私は、こういう考え方に共感しています。実際、自分だけ、当社だけが生き残っても意味が無いことですね。

「利他の心」というのは、全体の利益、みんなの幸せを考えるということだと思います。そういう行動が自然と出てくるほど、私たちの価値観にすり込んでいきたいものです。

ワンヘルス・アプローチとは

「三方よし」に次ぐ、経営理念の二つ目は、私たちの「使命」を表しています。

土壌と動植物と人の、健康を取り戻す。

皆さんは、「ワンヘルス」または「ワンヘルス・アプローチ」という言葉をご存じでしょうか。

いま、世界中でこの「ワンヘルス」の考え方を実践しようという意見が増えています。日本でも、厚生省をはじめ、食品や健康、環境に携わる人を中心に、この概念が急速に広まっています。

「ワンヘルス」というのは、簡単に言うと、人の健康=すべての生き物の健康、という事だと思います。動植物を含めて、「私たちの健康は一つだ」、ということです。「人」のことだけ考えるのではなくて、地球の生き物「全体」のことを考えた、とても広い概念ですね。これも、仏教的に解釈すれば、当たり前の事かも知れませんが、西欧社会では、「健康」について、従来よりかなり拡張された考え方になるのかも知れません。

ほぼ全ての人は、生き物を食べて、その命をつなぎ、健康な心と体を維持しています。野菜や果物も、肉や魚も、もともとは生きていた命あるものです。そして、生態系という仕組みの中で、人も含めて、全ての生き物が非常に複雑に、有機的に繋がっています。命は、すべて繋がっているのです。

私たちが健康を目指すなら、そういった生態系全体に対する健康を考えなければなりません。土壌、微生物、植物や動物などの健康からはじめなければ、人の健康も成り立たないということです。

当社では、サンビオティック農業という技術により、植物のポテンシャルを引き出す農業を推進しています。その最初の取り組みは、土です。土壌に健康な微生物を増やすことから農業の取り組みをはじめます。土壌の健康を取り戻すのです。それが、必ず植物の健康、そしてそれを食べる動物や人の健康に結びついているからです。

もちろん、農業の面だけ健康を考えれば良いとは思いません。農業自体が、自然の恩恵がなければ成り立たないからです。ミミズやミツバチの活動、クモやトカゲの存在は直接的に農業に不可欠です。それだけでなく、清らかな水や空気、身の回りの多くの生き物の存在が、豊かな森林や海によって支えられています。

そう考えると、私たちが目指すべき「健康」の対象はとてつもなく大きい。大きいけれど、追求したいと思います。

本物の健康、ヘルシーを目指します。

今の社会では、いたるところに「健康志向」があふれています。ヘルシー、オーガニック、無添加、科学的に証明された○○、栄養バランス…。

ですが、その実態は、本物、本質を突いているとは言いがたい、「見せかけ」のものが多いように感じます。たとえば、健康のためにサラダを食べようとしても、そのドレッシングは油と砂糖たっぷりヘルシーとは言えません。野菜ジュースや野菜スムージーには、ブドウ糖果糖液糖や香料、添加物がたくさん入っていたり、身近に買えるお弁当や食品には、美味しく見せる(する)ための「ひみつ」ばかりが入っています。

それらが、体にとって、心にとって健康的とは誰も思っていませんが、そんなものばかりが売っているので、目をつぶって買うしかない、というのが現実ではないでしょうか。

国が定めた有機栽培や機能性食品でさえ、本当の「健康」に主眼を置いたものではありませんから、日本人が健康を取り戻すのは、ほど遠い事かも知れません。「不健康」でも、「安くて」、そして「美味しければ」または「美味しそう」であれば、売れるというのも現実です。

でも、これからはそういう考え方で商品開発をしていてはいけないと思っています。

健康になってもらいたいという「想い」を応援したい

「体に悪い」と分かっていて食べたり、飲んだりすることは、ある意味で仕方がないとも思います。

たとえば、タバコ。あれほど「百害あって一利なし」と言われても、やめられない人は多くいますね。「おいしいものは、脂肪と糖でできている。」という名言もありますね。罪悪感を感じながらも、「やめられない、とまらない」というのもよく分かりますし、人の本能や欲望にうまくアプローチしている企業側の思惑も分かります。

本人がこういうことを分かっていて、選んだことは仕方ないと思うのですが、「知らず知らず」のうちに、自分や家族や、愛する人を不健康に陥れてしまう場合がある事は、不幸なことではないかと思います。

子どもが喜ぶから、ついつい甘いものやスナック菓子ばかり与えてしまうことは、その典型事例じゃないでしょうか。

子に健やかに育ってほしいと願うお父さん・お母さんが、知らず知らずに、あるいは騙されて、ご家族を病気に導いてしまうことがないように、私たち企業の側が、きちんと商品開発に責任を持たなければならないと思うのです。

このような事は、食品だけで無く、肥料や農薬などの農業資材の世界でも似たようなことがありますね。私は、もしも植物栽培に良いものだとしても、農家さんの健康を害するような商品は販売したくないです。

また農家の皆さんも、ご自分で作られた農産物を食べて、みんなに健康になってもらいたい、喜んでもらいたいと思っていると思います。そういう想いを応援することが、私たちがやりたい仕事です。

植物にも、人にも、真に健康を追求できるような技術を研究し、そういう商品開発をしたいと思います。派手な広告や、かっこいいキャッチコピーに頼らなくても、本当の価値は、必ず評価され、気に入ってもらえるものと思います。

愚直に、まっすぐに。本物の商品作りをして参りたいと思います。

少し堅苦しい説明になってしまいましたが、こういう思いで、社員一同心を合わせて、皆様のお役に立っていきたいと思っております。ぜひ今後とも、株式会社大地のいのちをよろしくお願いいたします。