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通路にもみ殻のすすめ

有機物マルチのすすめ

皆さんこんにちは。

施設栽培のトマトやナス、ピーマン、それにイチゴやアスパラガス。特に、転換畑の粘土質土壌では、通路に水たまりができて、困っている方も多いですね。潅水後は、長靴が重くなってしまう畑も多いのではないでしょうか?

その対策として、私のお勧めは、通路にもみ殻を敷き詰めること。ちょっと労力はかかりますが、もみ殻は結構簡単に手に入りますし、安い(またはタダ)です。そして、効果は抜群ですね。

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写真は、ある徳農家の、ミニトマトの畑でもみ殻を敷き詰めてある圃場です。トマトは、誘引、整枝をするので、葉かきした芽をそのままそこに落としてありますね。これは、とても合理的ですね。
通路が、土のままだと、どうしても踏みしめてしまいます。通れば通るほど、土は圧縮され、その分土中の酸素が減り、微生物が減ります。基本的には、これが通路の水はけが悪くなる原因ですね。そこで、もみ殻を5cmくらい、敷き詰めるわけです。これは本当にお勧めです。

まず、歩くのが楽になります。
そして、もみ殻の有機質が徐々に分解され、その下の土に供給されて、微生物が常に腐植を作り、土壌団粒化を進めてくれます。多少踏み固めても、微生物の力で、またすぐにふわふわに戻ります。

そして、水はけが非常に良くなるのが良いです。畑の潅水量を増やせるというのは、実は収量アップに直結しています。水をやると通路がべちゃべちゃになるからと、潅水を絞っているようでは、なかなか収量を上げるのは難しいですね。
さらには、もみ殻によって増殖した微生物のおかげで、CO2(二酸化炭素)の濃度が高まります。もみ殻の量や、水分などの関係にも寄りますが、ハウスの中は、CO2ガスを入れたような効果があります。もしも環境制御をしていても、CO2の生ガスが節約できる、というメリットが出てきます。

そして、最後には、そのもみ殻が、次作には堆肥として土に混ざっていくので、全体的な土づくりにも貢献してくるんですね。もみ殻は、生のままだとなかなか分解しないので、土づくりに利用しにくいですが、このように一作は通路に敷いておけば、そのうちに分解して、腐植に変わっていくのです。
いかがでしょうか?まだやっていない方は、ぜひ、今年取り入れてやってみてほしいと思います。

有機物マルチの大切な注意点

ただ、一点だけ注意点があります。

もみ殻は、やはり微生物にとっては良いエサです。もしも、病原性の糸状菌などが増えてしまったら、トマトや、ナスや、アスパラやニラは、白絹病を始めとした病害に侵されてしまうリスクが高まります。
でも、菌力アップをやっていれば大丈夫です。菌力アップの微生物が、病原菌よりも先に繁殖し、優先してしまうからです。そのため、もみ殻を敷き詰めた後は、そのもみ殻の上に、菌力アップ100倍液を軽くかけてやるとよいです。
そして、さらに栽培期間中には、作物の株元に菌力アップを潅水することで、通路にも菌がしみだしてきて、もみ殻周辺の微生物相が常に、良い状態となります。

人によっては、通路に「米ぬか」をまいている方もいらっしゃいますね。この場合、病原菌が増える可能性は、もみ殻よりももっと高まります。ちょっと危険だな、と思います。でも、この場合も、菌力アップを併用していれば大丈夫です。
しかし、私のお勧めは、もみ殻です。いろいろなメリットがありますよ。ぜひ、お試ししてみませんか?